インバウンド東京一極集中からの脱却 ―広島・山口・福岡編―

インバウンド地方分散の進行
先日、私は家族の韓国語試験受験に付き添って広島を訪れました。今年3月に開業したばかりの広島駅ビルには多くの外国人観光客が行き交っていました。
私は家族を試験会場まで送り届けた後、再び駅ビルに戻り、何人かの外国人に簡単なインタビューをしてみました。ある外国人の方はポーランドから来られていました。
「既に広島の主だった観光地は訪れたから、これから息子夫婦が住んでいる東京に行く」
ということでした。
こうして文字にするとまるで日本人と話しているような会話です。それくらいインバウンドは東京一極集中からさらに深化・進化しており、地方にも十分に機会はあると感じました。
しかし、同時に『「地方」をどのように解釈するか』でこれからのインバウンド時代を勝ち残れるかどうかが決まるのではないかということも感じました。
データでみる福岡・広島・山口3県のインバウンド状況
たとえば、日本政府観光局が公表している『2024年都道府県別外国人延べ宿泊者数』がありますが、福岡・広島・山口という3県のデータから「どの国から来ているか」についてざっくり見てみます。
<福岡> 1位 韓国 2位 台湾 3位 香港 4位 中国 5位 タイ
<広島> 1位 アメリカ 2位 オーストラリア 3位 韓国 4位 台湾 5位 イギリス
<山口> 1位 韓国 2位 アメリカ 3位 台湾 4位 中国 5位 香港
日本人から見れば地理的には(ほぼ)隣接している3県ですが、出身国別ランキングを並べてみればそれぞれに特徴があります。
福岡はアジア、特に地理的に近い国からの観光客が圧倒的多数を占めています。福岡空港の国際線は韓国、台湾、香港、中国、タイ、ベトナム、フィリピンなどアジア各国を中心に多様であることは大きな要因となっています。
また、広島は世界遺産でもある原爆ドームの持つ歴史的な意味合いから西洋諸国から来られている外国人観光客の数が多く全国的に見ても独特です。単に楽しむだけの観光という位置づけで外国人が来ているのではないと感じます。
山口は福岡1位の韓国、広島1位のアメリカがそれぞれ山口1位2位にランクしていることがわかります。さらに3県に共通しているのは東京・大阪・京都では圧倒的1位であるはずの中国からの観光客が1位ではないことも興味深い点です。
地方インバウンド戦略を見据えて
「地方」とひとくくりにされがちな3県でも、実際には出身国の構成も来訪目的もまったく異なっています。そうしたデータに裏打ちされた外国人観光客から見た各県の個性をヒントにしながらサイトを構築していくことがシン・インバウンド時代の生存戦略なのだと思います。
福岡・広島・山口といった隣接3県に本支店を構えておられる企業様は少なくありませんが、この3県は新幹線を使えば1時間ほどで移動が可能な距離であることを多くの外国人観光客は知っているだけでなく、実際に新幹線を乗りこなして訪れる行動力が伴っています。
新幹線で1時間圏内を軽やかに移動する彼らにとって、「地方」は選択する価値のある目的地となっています。その目的地にある企業の窓口としてのウェブサイトには、どれだけ自社の強みを言語化し、英語あるいは多言語で発信できるかにかかっています。
地方でのインバウンド戦略も、ぜひトラクリ8までお気軽にご相談ください。
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